こんにちは、もじゃこです。
仕事が暇で机をせっせと拭いていたら上司から特大ウエットティッシュをプレゼントされました。ありがとう、でもわたしがほしいのは仕事だよ!
そんな感じでわたしは入社した時からいわゆる仕事が暇な『社内ニート』だったのですが、3か月ほど経つ頃から
「なんか…脳みそが退化してる感じがする…」
という危機感を持つようになりました。
具体的には
・頭が回転している感じがしない
・アイデアが思いつかない
・考えるものの範囲が狭くなった
・人に会っても話すことが思いつかない
・うまく順序だてて話せない
なんというか、脳がさび付いて動かしたいのに動かないような、
ギシギシいっているような感じがしていました。
その他にも気力がわかなかったり、涙もろくなったりもしていたので
これ、鬱の始まりかな?と思っていたのですが
先日本を読んでいたときに「こ れ だ !!」と思う発見があったので
今回はそのお話です。
仕事が暇すぎて、脳みそが退化していく…その原因とは。
脳みそが退化していくようなこの感覚は、いわゆる『頭を使わなすぎて頭の回転が悪くなった』ということかな?というのはぼんやりと考えていたのですが
いかんせん頭が回らないものだから、どうすればいいのかがわからない。
頭を使おうにも、頭を使ってやる仕事がない。
そうやってぐだぐだしている間にどんどんと状態は悪化していって
暇な時間はExcelを開いたり閉じたり、ファイルをあっちに持って行ったりこっちに持って行ったり単純な作業しかできなくなり
夕食の献立を考えようと思っても何も思いつかず、考えることが苦痛になり外食の回数も増えていきました。
その状態に「まさにそれは、こういうことだぞ」と教えてくれたのが今回読んだ本です。
その仕組みと解決策がここにある。本『フリーズする脳』
読んだ本というのは、こちらです。
2005年に発刊された古い本ですが、今の時代にしっかりはまる内容です。
脳の本というとすぐ前頭葉がどうのとかシナプスが細胞がと言ってきそうですが
こちらの本(というかこの著者の本)ではそういった言葉はほとんど出てきません。
専門用語を使わずにいかにわかりやすく素人の読者に伝えるかに全力を注いでいる本です。
半日あれば読了できます。
著者について
著者の築山節(つきやまたかし)さんは脳神経外科専門医の先生で、脳疾患後の脳機能回復をはかるための「高次脳機能外来」を開設したエライ人です。
事故や脳疾患によって脳機能が低下してしまった人の脳機能回復の他、ボケ症状などを専門としています。
特に『ボケ』についての著作が多く、若年性のちょっとした物忘れから、高齢者の本格的なボケについてまで幅広く書いています。『脳が冴える15の習慣』がベストセラーとして有名です。
読みやすくて好きで、この著者の本は3冊持っています。
もっと脳がどう動いてそうなってるのか仕組みが知りたいんじゃ!という方には物足りないかもしれませんが、サクッと状況と解決策を知りたい方にはかなりいい本です。
『頭の回転が悪くなった、脳みそが退化した感じがする』という感覚の原因は脳機能の衰え
著書ではこのような状態を『脳のフリーズ』と名付けて解説しています。
・なかなか思い出せない
・記憶できない
・反応が鈍い
・思考が鈍る
・頭が働かない
・頭の回転が悪くなった
・考えが伝えられない
・内容がうまく捉えられない
・理解力が低くなった
つまり、『本来当たり前にできていたはずのレベルのことができなくなった状態』です。
思い当たる節がありすぎるな。
なぜこのような『脳のフリーズ』が起きてしまうかというと
脳を使わないことによって、脳の機能が『衰えた』からです。
え、こっわ。
築山さんによると、『脳は楽をしたがる』とのことで、
脳はあることをやらなくて済むようになると、無意識にその活動を日常生活の中から排除してしまう。そして脳の活動の訓練の機会が減り、ますまずその脳の機能が衰えていく。
脳の思考系は『理解しながら聞く』ことや『自分の考えを臨機応変にまとめ、記憶と言葉とを組み立てながら話す』という作業(訓練)によって鍛えられていきます。
普通に仕事をしていれば当然にやる作業ですが
仕事が暇なわたしたちは理解しながら聞く機会も、自分の考えをまとめて記憶と言葉とを組み合わせて話す機会もありません。
うん、そりゃ衰えるよね。
だってぼんやり椅子に座って暇つぶしてるだけだもの。
何の用もないExcelで罫線を引いたり消したり色変えたりしてるだけだもの。
『衰えた脳の機能』は改善できる
脳が衰えた、と聞くと急に恐ろしくなってしまいますが、脳にはいくつも機能があって、その一部が使用されないために衰えた(活動しなくなった)という意味です。
使わなくなったから衰えたのであって、使えばまた機能を取り戻すと著書でも説明されています。
つまり、使えばいいんです。
いやうん、わかるよ。
仕事があれば使えるよ。
でも仕事ないんだよ。暇なんだよ。やることないの。
どうしたらいいの。
この本は仕事が暇な社内ニート向けに書かれたものではないので
『じゃぁわたしはどうしたらいいのか』という部分は自分の状況と照らし合わせながらある程度考えていかないといけません。
ということで、著書の中で提示された解決策をもとに
仕事が暇な社内ニートでもできる方法を考えてみました。
この溶けかけた脳みそを元に戻して正常な思考を取り戻すためにできること
本の中では実際に『脳のフリーズ』が起きている症例をもとにその解決策をそれぞれ提示しています。
どの症例に対してもすべてに共通しているのは『脳をバランスよく使う』ということ。
方法はいくつか挙げられていますが、使えそうなものをピックアップしてみました。
- 能動的な学習をする。
- 散歩をする。
- 目標をもつ。
①能動的な学習をする。
能動的=自ら進んで、積極的にという意味ですね。
ただ教材を聞き流すような受け身な学習方法ではなく、覚えよう、理解しようという意思を持って取り組む学習方法です。
勉強法、記憶法の本なんかでよく見ますね。
努力をして知識を自分の記憶に取り入れようという行為が脳を使います。
これは仕事の暇な時間でもちょっとできそうじゃないですか?
例えば、ネットサーフィンをする時は
- 学びになるサイトを選び、「理解しよう、覚えよう、後で人に話そう」という気持ちで読む。読み終わったら一度画面を閉じて「どんなことが書いてあったか」を思い出してみる。
- 資格の勉強ができるサイトで問題を解く。
- 新聞のコラムを読んで、頭の中で要約してみる。
わたしもよく見ていたおすすめのサイトはこちらにまとめておきました。
▼仕事が暇な時にこっそり見るサイトまとめ【仕事関連~勉強ができるサイトまで】
▼仕事が暇すぎて勉強してたら資格を取りまくれたのでオススメ教えます
わたしは時々「もやしって何だろう…?」などピンポイントで何かが急に気になることがあるので
・緑豆もやしと大豆もやしがあるらしいけど違いは?
・緑豆って何もの?確か春雨にもなるよね?
・栄養は?
・そのまま育っていったらまた大豆生えるの?
などを掘り進めて調べ、家に帰って夫に説明したりしています。
調べた結果をパソコンのメモ帳やGoogleドキュメントに打ち込んでまとめれば仕事してるっぽさも満載。雑学も増えてちょっとしたネタにもなります。
え?もやしのことすごい気になってきたんだけど…という気の合う方はこちらのページなどで調べられますので暇つぶしのお供にどうぞ。
ただネットをささーっと見ているだけだとこれは「受動的」で、たくさんの情報に触れているように見せかけてただ右から左に受け流しているだけになっています。
気になることを検索する作業もなんとなく頭を使っている気がしますが、実際には本来なら自分で「思い出す」「考える」ということを省いてしまうことに繋がっているのです(と著書にもありました)。
何かを検索する前に「こんな結果なんじゃないか?」と自分なりに予測を考えたり、なんとか思い出そうと踏ん張ってみる方が脳の訓練になります。
築山さんは患者さんに新聞のコラムを読んで、紙に書きうつし、音読するという作業を「内容を理解しながら」行ってもらうという訓練をしてもらっていました。更に要約もすれば、脳も文章力も鍛えられて一石二鳥ですね!
・流し読みはしない。
・「理解しよう、覚えよう、後で人に話そう」という気持ちで読む。
・読み終わったら一度画面を閉じて「どんなことが書いてあったか」を思い出してみる。
・検索をする前に結果を予測してみる、なんとか思い出す努力をしてみる。
②散歩をする。
散歩は手足を動かすことで脳の運動系を動かしたり
目や耳でたくさんの情報をキャッチすることで脳の様々な機能を一気に総活躍させるお得な方法です。
散歩した後に勉強や仕事をすると頭がスッキリして集中しやすいという経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。
仕事中に散歩はできませんが、仕事の前後・休日などに散歩を取り入れるのがよさそうです。
わたしは仕事中でも「ちょっと倉庫の整理でもしてきます」と倉庫までふらふら遠回りしながら行ったり、遠くのお手洗いまで行ってみたりと散歩に近しいことはしていましたが…
もっと五感をよく使って歩けば、脳をよく使えそうです。
五感をよく使って歩くといえば、歩行瞑想というものがあります。
歩きながらする瞑想で、呼吸や足裏の感覚などに集中しながら行います。
気分がスッとします。廊下に人がいない時にやってました。
③目標をもつ。
これは読んでいてちょっとじーんとした一文なのですが
目標を持って人生を少しずつ変えていく、その中で直面する問題を自分の脳を使って解決していく。やる気を失い、反射的・受け身的な生活になっている人にとっては、それが根本的に必要なことです。
わたしは仕事が暇という状況になってからひたすら資格の勉強をしてわんさか資格をとったのですが、資格の勉強をしている間はなんだか意欲が高まって、毎日が楽しくて、目標があることがうれしかったんですよね。
資格に受かるために、どうやったら勉強時間をのばせるか、集中力がつくかとか、記憶できるかとか、色んな工夫をしながら少しずつ自分が成長していく感じがたまらなく幸せで、気が付けば脳みその溶けていく感じがなくなって、心が穏やかになったなという実感があります。
なるほど、目標を持つということは様々な困難に立ち向かうことで、それが脳の機能を使うことに直結していて、あの不安になるくらいの思考停止状態を改善させてくれていたんだなぁと思いました。
手の届かないような高い目標や、「お金持ちになる!」といった漠然とした目標は試行錯誤がしにくいので、もう少し簡単に叶えられそうな、自分の努力や工夫次第で近いうちに達成できそうなものがおすすめです。
例えば…
・本を月に1冊以上読む
・資格を取る
などなど、具体的に目標達成までのプランを立てやすいようなものですね。どれもわたしがたてた目標ですけども…。
ちなみに副業はクラウドワークスでライターをやっています。記事を書くお仕事ですね。
文章でお金をもらったことのない初心者から始めてまぁまぁお金がもらえるライターまでになったので、ライターの仕事やってみたいなぁ、初心者にもできる副業ないかなぁと思っている人にもおすすめです。
まとめ
思考がどんどん鈍くなっていく感覚というのは、本当にこわいですよね。
わたしが一番危機感を感じたのは、人と話している時です。
最近あったことを話そうと思ってもまったく思いつかず
話始めても自分で何を言いたいのかわからず諦めてしまったり
とにかく『話すのめちゃくちゃ下手になった』と気づいた時にぞっとしました。
今考えてみれば
記憶を引っ張り出す力やその記憶と言葉を整理する力、組み立てる力が著しく衰えていたために起きていたことだろうなぁと思いますが、その時はただ怖くて、病気かもしれないと怯えていました。
わたしはたまたま勉強するのが趣味で、資格をとる目標を作ったことがきっかけで『脳みそが溶けていく』『思考能力が低下していく』という状態から脱出することができましたが
もし今まさに仕事が暇で、仕事を探したり暇つぶしをする毎日の中で「思考力が鈍ってきた」「頭の回転が悪くなった」「脳みそ溶けてるっぽい」という危機感を感じている方はぜひ今回ご紹介した本を読んでみてください。
古い本なので中古で買えば300~400円くらいです。
ブックオフの方が安いかも。
もし自由にインターネットが使える職場なら、電子書籍でこっそり読むのもアリです。
わたしも時々やってました。こちらで『フリーズする脳』の取り扱いあります。
社内ニートに関する本についてのその他の記事はこちら
池谷裕二さんの『記憶力を強くする』という本がめちゃくちゃおすすめです。脳のどんな部分が記憶に作用してるのか?という部分が深堀できます。文系一筋のわたしが興奮しながら読んだ、ここ5年で面白かった本。